防犯ライフ
建築単価の変動はあくまでもゼネコン間における競争条件によって決まると言ってよいでしょう。
相手が安い値段で落札するならば、その値段よりもさらに低い値段を提示しないと受注が獲得できないように、競争相手の条件によって建築単価は変動するのです。
バブル期は工事量が業者数に対して豊富にあったので工事を選ぶことも容易でしたが、バブル崩壊以降、工事量の減少に比べ業者数の減少が過少に留まったことが過当競争体質に陥り、単価が下落した理由と思われます。
民間設備投資の増加が堅調になってきたことで、工事量と業者数の需給ギャップが多少緩和しました。
このことが2005年度の非居住用建築着工床単価の上昇に反映されているものと思われます。
しかし、ゼネコン各社が利益を無視してまで受注量の拡大をさらに追求する姿勢を鮮明化させると、途端に建築単価は再下落することとなるでしょう。
業者数が過剰であるという構造的問題は解決されていないからです。
日建設工事の地域別依存度大都市圏で約7割 建設工事の地域別の特徴を新設住宅着工戸数、民間非居住用建築物着工床面積、公共機関からの公共工事で見てみましょう。
2005年度の新設住宅着工戸数のうち、約42%が関東に依存しています。
中部地方と近畿地方を合わせると全体の約70%が大都市圏で占められています。
一方、住宅以外の建築物を見ると、2005年度の民間非居住用建築物着工床面積の全体の約33%が関東に依存。
中部地方、近畿地方を加えると、全体の約64%を大都市圏に依存しています。
また、公共機関からの公共工事については、約23%が関東に中部地方、近畿地方を加えた大都市圏への依存度は約46%となっています。
人口の分布で見ると、2005年時点で日本の人口の約63%が関東、中部、近畿地方に分布しています。
住宅着工の状況から見ると、この集中度合いは今後も継続するものと思われます。
公共工事の大都市圏と地方圏への依存度も変化せざるを得なくなってくるでしょう。
かねて建設業者の数は多いと言われていますが、実際の数はどれはどのものでしょうか。
建設業を営もうとする者は、28種の建設業の種類ごとに、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けなければなりません。
28種の工事分類とは以下の通りです。
剛土木一式工事、②建築一式工事、(3)大工工事、(4)左官工事、㈲とび・土工・コンクリート工事、㈲石工事、(7)屋根工事、(8)電気工事、㈱管工事、㈲)タイル・れんが・ブロック工事、㈲鋼構造物工事、贈鉄筋工事、聯は装工事、㈲しゅんせつ工事、尚板金工事、㈲ガラス工事、㈲塗装工事、㈲防水工事、聯内装仕上工事、(20)機械器具設置工事、(21)熱絶縁工事、(22)電気通信工事、囲造園工事、(24)さく井工事、糾建具工事、囲水道施設工事、剛消防施設工事、姉清掃施設工事。
土木一式工事、建築一式工事を請け負う建設業を総合建設業者と呼び通常、ゼネコンと呼ばれています。
これに対して大工工事、左官工事などの専門工事を請け負う建設業を専門工事業者と呼びます。
現在、国土交通大臣または都道府県知事に許可を受けている建設業者数は約54万社あります。
一般的には、この54万社という数字がひとり歩きして、多いとか少ないといった議論になる傾向があります。
国土交通省が実施している統計法で規定された指定統計という建設工事施工統計調査票に施工実績(売上高)の記入があった業者の数は約30万社です。
また、公共工事を受注したい建設業者は建設業法で定められた経営事項審査を受けることが義務づけられていますが、この経営事項審査を受けている業者の数は約20万社です。
このうち、発注者から直接仕事を請け負う元請業者の数は約8万社です。
一方、54万社を資本金階層別に見た場合、99%は資本金1億円未満の中小企業や個人経営者であり、資本金10億円以上の会社数は約1,500社です。
しかも、資本金10億円以上には建設業を主業務としない商社、電機メーカー、造船会社なども入っていて、専業の会社はさらに絞られます。
建設業者の数が多い、少ないという議論をするにはまずは焦点を絞る必要があります。
・建設業許可業者数の推移 2004年12月、許可の有効期間が3年から5年に延長されたことで、許可の更新期を迎える業者が多い年度と少ない年度があります。
そのため最近の新規許可業者数が建設工事の多寡によって変動しない特殊な状況にあることをまず確認しておきます。
許可業者数は、前年の許可業者数に本年の新規業者数を加え、廃業等の業者数を控除したもので、本年末の許可業者数を把握することができます。
建設業許可業者数がピークだったのは、1999年度の60万社で、2005年度には54.2万社にまで減少し、ピークからは約10%の減少となっています。
建設投資のピークは1992年度の84兆円、2005年度までに約38%の減少となっています。
建設業許可業者数のピークと建設投資のピークの間には7年のラグがあり、建設投資の増減が建設業許可業者数を増減させていないことがわかります。
一方、公共工事前払金保証請負高の推移を見ると、過去ピークは1995年度の26.7兆円。
1996年度に24.6兆円、1997年度に23.7兆円と減少しますが1998年度には26.4兆円へ拡大します。
建設業許可業者数のピークが1999年度、公共工事前払金保証請負高が1998年度まで高水準であったことを考慮すれば、業者数の増減は公共工事の変動によって促されている側1億円以上10億円未満10億円以上面が強いと言えます。
その公共工事前払金保証請負高は1998年度の26.4兆円から2005年度には13.0兆円へ約半減していますが、建設業許可業者数はピークから1割の減少に留まっていて、マーケットが大幅に縮小するなかでなんとか凌いでいる業者が多いことがわかります。
目資本金階層別の推移 次に、資本金階層別に業者数がどう推移してきたかを見てみましょう。
年度統計から暦年統計になるので、建設業者のピークは2000年の60万社です。
まず、資本金10億円以上の大手企業は、2005年時点で全建築業者数のわずか0.3%、1595社となっています。
2000年の1,628社からはわずか2%程度の減少に留まっています。
また、資本金1億円から資本金10億円未満の中堅中小企業の場合、2005年時点においては全就業者数のわずか0.9%、4,680社となっています。
こちらも2000年の4,796社からはわずか2%の減少です。
これら大手に対し、建設業就業者の大半を占める個人および中小零細企業は2000年に比べて10.8%減少しています。
つまり、公共工事前払金保証請負高が半減しているなかで、資本金1億円以上の業者数はほとんど減少せず、減った業者の大半は資本金1億円未満の個人および中小零細企業であったことがわかります。
日建設業就業者数はピークから約15%減少 建設業就業者数のピークは建設業業者数のピークよりも2汗円)建設業男性労働者年ほど早い1997年でした。
1997年時点の建設業就業者数は685万人で日本全体の就業者数の10.5%を占めていました。
それが、2005年時点では建設業就業者数は563万人にまで減少し、日本全体の就業者数に占める比率も9.1%にまで低下しました。
1997年のピークからは約18%の減少ということになります。
公共工事前払金保証請負高が1998年度の26.4兆円から2005年度には13.0兆円へ約半減するなかで、業者数は約10%、建設業就業者数は約18%の減少に留まっているのです。
民間、公共を合わせた建設投資も同期間、約30%減少していますが、建設業界は1社当たりの売上高、1人当りの売上高を減少しながら凌いでいる姿が浮き彫りになっています。
結局、1人当たりの賃金が低下し、産業としての競争力を喪失しました。
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